Cuba
April to May, 2014
2014年5月4日、ハバナにて
長かったキューバの旅も
いよいよ終わる。
思えば波乱続きの旅だった。
出発日の早朝、
空港に向かおうと乗った車が故障、
トランジットのため2泊したカナダでは
到着早々に胃腸風邪を引き、
ナイアガラの滝を横目に寝たきり状態。
レンタカーで慣れないトロントを
彷徨い、車中では大ゲンカ。
キューバの首都ハバナでは
ひっきりなしにやってきては、
あれやこれやとタカる人びとに閉口し、
古都トリニダーでは
言う事がコロコロと変わる地元民に
文字通り振り回され、
そして最終日に長距離バスの中で
思い出のぎっしりつまった
カメラを紛失。
歯車がかみ合わないまま、
違和感を感じながら
でも旅は止まらずに、
目的地を変えながら
どんどんと進んでいくので
必死で前に進んでいく。
そんな旅だった。
でもありえないほどのトラブルの後で、
染み入るような優しさに出会うのも
またキューバなのだった。
手作りマップでハバナを
案内してくれたカーサ、
カメラを探してあちこちに
電話をしてくれたカーサ、
つたないスペイン語を
一生懸命聞いてくれる人々。
屈託のない笑顔と、
すぐねだるわりに強く言い返すと
ショボンとなるその姿。
そして10秒後には陽気に話しかけてくる
彼らがなんだか憎めなくて、
実は世の中、本当に悪い人なんて
いないんじゃないか、
すきあらば私からお金をせしめようと
している彼らだけれど、
でも実のところ
根は良い人なんじゃないか。
そんなことを思わせる
不思議なキューバの人々なのだった。
カナダで2泊、キューバで7泊。
9泊11日間の旅がもうすぐ終わる。
記録はほとんどなくしてしまって、
今は日焼けとアザと、
鮮やかな記憶だけが残っている。
どれもみな少しづつ薄まって、
いつか消えてしまうかもしれない。
ガイドブックにあるような旅は
できなかったけれど、
私らしいでこぼこさで
キューバを見つめられたと思う。
Adios Cuba, Adios mi camara.
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